© 大窪道治
2022
Chamber Concert I
ふれあいコンサート I

ふれあいコンサートⅠ

日程 2022年8月20日(土)開演 16:00
会場 松本市音楽文化ホール(ザ・ハーモニーホール)
車椅子席のご利用ができます。
料金 一般:¥6,000/U-25:¥3,000 (全席指定)
※U-25チケットは、限定100席で「OMFウェブチケット」のみの取り扱いとなります。
公演時間 約1時間45分(休憩あり)
演奏 ヴェリタス弦楽四重奏団
(ヴァイオリン:岩崎 潤 / 島田 真千子、ヴィオラ:小倉 幸子、チェロ:工藤 すみれ)
フルート:セバスチャン・ジャコー
曲目 ボッケリーニ:フルート五重奏曲 作品17-1
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第7番 嬰ヘ短調 作品108
ラヴェル(マニヤク編曲):ソナチネ (フルート&弦楽四重奏の編曲版)
ラヴェル:弦楽四重奏曲 へ長調

演奏

ヴェリタス弦楽四重奏団Veritas String Quartet
ヴェリタス弦楽四重奏団
© Yoshitaka Kinjo
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ヴェリタス弦楽四重奏団Veritas String Quartet

ヴェリタス弦楽四重奏団

2015年夏、サイトウ・キネン・オーケストラに集い、想いを同じくする音楽家にて結成。同年12月、沖縄県でデビュー公演を行い成功を収める。以降、毎年の沖縄公演や、2017年セイジ・オザワ・松本フェスティバル室内楽公演、2019年には名古屋・宗次ホール、東京・春・音楽祭の公演に出演。メンバーは世界各地のオーケストラを拠点に活動中の個性の光る奏者達。精彩に富み熱量の高い演奏は多くの聴衆を魅了している。

岩崎 潤

ヴァイオリン
2022/23年シーズンよりカンザス・シティ交響楽団のコンサートマスターに就任。クリーヴランド音楽院コンサートマスタ・アカデミー卒。鮮烈なテクニックと抒情溢れる楽才で称賛される。カンザス・シティ響以前は、2011~22年ナッシュヴィル交響楽団コンサートマスター、2007~11年オレゴン交響楽団コンサートマスター。ヴァンダービルト大学ブレア音楽学校で教鞭を執るほか、若手音楽家のための室内楽を中心としたワークショップであるポートランド・サマー・アンサンブルスの芸術監督も務めた。

島田真千子

ヴァイオリン
東京藝術大学を首席で卒業、デトモルト音楽大学院を最優秀で卒業。日本音楽コンクール第2位、日本モーツァルトコンクール第1位、パガニーニ国際、J. S. バッハ国際コンクール等で入賞、愛知県芸術文化選奨文化賞を受賞。AltusレーベルよりCD『バッハの無伴奏ソナタ&パルティータ集』他をリリース。現在、セントラル愛知交響楽団ソロコンサートマスター及び水戸室内管弦楽団、ヴェリタス弦楽四重奏団のメンバー。愛知県立芸術大学、京都堀川音楽高校の非常勤講師。使用楽器はNPO法人イエローエンジェルより貸与のG. B. ガダニーニ(1769年)。

小倉幸子

ヴィオラ
奈良市生まれ。才能教育研究会の宇田美代子氏の手ほどきでヴァイオリンを始める。京都市立芸術大学にて木村和代氏に師事。卒業後、神戸市室内合奏団に入団。退団を機にヴィオラに転向し店村眞積氏に師事。2000年渡米。シカゴ音楽院大学院にて、Li-Kuo Chang、森悠子の各氏に学ぶ。翌年シカゴ交響楽団に入団。2014年渡英。2016年フィルハーモニア管弦楽団首席ヴィオラ奏者に就任。客演首席奏者としてイギリス室内管弦楽団、ロイヤルスコティッシュナショナル管弦楽団、BBC交響楽団、シカゴ交響楽団と共演。

工藤すみれ

チェロ
東京都出身。アヴァロン弦楽四重奏団を経て、現在ニューヨーク・フィルハーモニック、ヴェリタス弦楽四重奏団のチェリストとして活動する。第62回日本音楽コンクール第2位。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを経て、ジュリアード音楽院でアーティスト・ディプロマコースを修了、在学中は、ジュリアード弦楽四重奏団のアシスタントとしても活動した。これまで井上頼豊、毛利伯郎、ハーヴィ・シャピロ、ジュリアード弦楽四重奏団に師事、マールボロ音楽祭、Music@Menlo、ラホヤ音楽祭等に出演。

フルート:セバスチャン・ジャコーSébastian Jacot
フルート:セバスチャン・ジャコー
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フルート:セバスチャン・ジャコーSébastian Jacot

セバスチャン・ジャコー

フルート
1987年スイス・ジュネーヴ生まれ。ジュネーヴ音楽院でジャック・ズーンに師事。2013年神戸国際フルート・コンクール第1位、14年カール・ニールセン国際フルート・コンクール第1位、15年ミュンヘン国際音楽コンクール第1位。香港フィル副首席、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団第1首席を経て、2022年11月よりベルリン・フィル首席奏者に就任。ブレーメン芸術大学教授、水戸室内管弦楽団メンバー。ソリストとしてもバイエルン放送交響楽団をはじめ多くの楽団と共演を重ねている。

島田真千子さんに「ふれあいコンサートI」についてお伺いしました。

弦楽四重奏のメイン・プログラムに選んだのは、ショスタコーヴィチとラヴェルです。ヴェリタスのメンバーである岩崎潤、小倉幸子、工藤すみれと私の全員で大いに悩んで決めたプログラムで、“ヴェリタスの活動5周年の集大成”という意味も込められています。実は、ヴェリタスは2020年に活動5周年を迎える予定だったのですが、あいにくコロナ禍となり、今年の「ふれあいコンサート」で演奏するのが2019年以来、初めてとなります。そういう流れもあり、自分たちがこれまで創ってきたレパートリーの中から「これは!」という2曲をメインに選びました。
ロシア生まれのショスタコーヴィチは、1960年に2つの弦楽四重奏曲を作曲しました。その年は、不本意ながらも共産党に入党し、且つ、作曲依頼で訪れた旅先のドレスデンで戦争の惨禍を目の当たりにし、ショスタコーヴィチ自身、精神的な荒廃危機に見舞われた年でした。“ファシズムと戦争の犠牲者”に献呈する弦楽四重奏曲を作曲し、戦争への反体制を音楽の中で表現し続けた彼の作品もまた、時代を超えて深くメッセージを伝え続ける音楽です。今年、弾く意味があると思って選びました。
一方ラヴェルの作品は、彼の室内楽作品の中でも特に、オーケストラが凝縮されたような和声感がひろがる作品です。ラヴェルの「ソナチネ」はピアノのために書かれた曲の編曲(編曲:マニヤク)したものですが、ラヴェルの弦楽四重奏曲のミニチュア版のような曲で、まさに弦楽四重奏曲への序曲のような雰囲気を醸し出しています。後半はフルートのセバスチャン・ジャコーと一緒に、ラヴェルの世界にどっぷりと浸って頂けると思います。今年のフェスティバルのオーケストラ コンサートがフランス作品とロシア作品なので、それへのオマージュという意味も込めて、ロシア、フランスの作品を選びました。

ヴェリタス弦楽四重奏団

ヴェリタス弦楽四重奏団 初めてのアーティスト写真(セバスチャン・ジャコー撮影/2015年)

一緒に演奏するセバスチャンは、サイトウ・キネン・オーケストラを介して知り合った音楽家です。特にヴェリタスの4人と仲が良く、2015年のカルテット結成時にも一緒に松本にいた仲間です。そのとき、セバスチャンがとても良いカメラを持ってきていて色々なものを撮影していたんですが、我々の宣材写真を撮ってくれたのも、セバスチャンだったんです。記念すべきデビュー・リサイタルのチラシの写真は、セバスチャンが撮影した1枚でした。そういったご縁もあり、大切な音楽仲間の一人ですし、何より素晴らしいフルーティストなので、今回一緒に演奏したいと思って共演してもらうことになりました。