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沖澤のどか、米国デビュー!— ボストン交響楽団を指揮し、聴衆を魅了

OMF首席客演指揮者 沖澤のどかが、116日〜8日に、米東部マサチューセッツ州ボストンにて、小澤征爾が29年間にわたり音楽監督を務めたボストン交響楽団(BSO)の定期演奏会を指揮し、米国デビューを果たしました。

©︎ Michael J. Lutch

公演は、故・武満徹の初期の傑作の「弦楽のためのレクイエム」で幕を開け、続いて、バーンスタインや小澤とも共演したヴァイオリニストの五嶋みどり氏を迎え、ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を演奏。最後は、ドヴォルザークの交響曲第7番を披露しました。

サイトウ・キネン・オーケストラ代表の小澤征良は、現地でリハーサルおよび6日の公演を聴き、次のように振り返っています。

リハーサルの初日は幼い頃から慣れ親しんだいつものシンフォニーホールで古顔もチラチラ見えるBSOメンバーのど真ん中で、のどかさんが振ってらして感無量でした。

父がボストンで音楽監督を始めたのも38歳だったかと思います。のどかさんもきっと緊張されていたとは思いますが、そんなことは感じさせない、地に足のついた、安定した、いつもの正直でまっすぐな彼女で、オケが彼女に好意的なのはすぐにわかりました。

初日公演は、BSO CEO のチャド・スミス氏の隣で聴かせていただきました。みどりさんとの熱い共演はもちろんのこと、ドヴォルザーク7番は楽章が進むにつれて、どんどん沖澤さんの音になっていて、その音楽の中で上を仰げば、指揮する父の頭上にいつも見ていた、シンフォニーホールの特徴でもある黄金のベートーヴェンの文字と重厚な装飾がステージを守る額縁のようです。29年間、父とBSOの音楽を守ってきた、シンフォニーホールの景色。

終演直後に客席からのブラボー、そして、音楽を愛するボストンの地元の方々のスタンディングオベーション。胸がいっぱいで涙が出ました。

のどかさん本当におめでとうございます!自分のことみたいにこころが嬉しさに満ちていっぱいです。

©︎ Michael J. Lutch

沖澤のどかのデビュー公演は、現地メディアでも多く取り上げられました。

The Boston Globe紙
「米国デビューとなった沖澤は、フルオーケストラによる力強いパッセージの中でもBSOを見事にまとめ上げ、アンサンブルの迫力が五嶋みどりの繊細な表現をかき消すことのないよう巧みにコントロールした。(中略)
休憩後、沖澤はドヴォルザークの探求的な交響曲第7番で、引き締まった生き生きとした演奏を繰り広げ、協奏曲の間は抑えていたオーケストラのダイナミックな表現力を存分に解き放った。40分の演奏は、まるで10分のように感じられた。」(記事の全文はこちら

The Boston Musical Intelligencer
「11月6日のBSOコンサートは、客演指揮者沖澤のどかの優雅な指揮ぶりを披露する最良の機会となった。」(記事の全文はこちら

今回のBSOとの共演は、11月6日、7日、8日の3日間にわたり開催され、各日ボストン市民ら約1,900人の観客を魅了しました。

沖澤のどかは、2026OMFでサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)とオリヴィエ・メシアンの「トゥランガリーラ交響曲」を演奏します。本作は1949年、レナード・バーンスタイン指揮 ボストン交響楽団によって世界初演され、日本では1962年に小澤征爾指揮 NHK交響楽団によって初演された20世紀音楽の金字塔的作品です。

来年の沖澤&SKOにも、ぜひご期待ください。