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《メディア情報》FM長野「clap!」5週連続でOMFコーナー放送!

FM長野(79.7MHz)で放送中の「clap!」で、5週連続にわたりセイジ・オザワ 松本フェスティバル特別コーナーが放送されます!
毎週金曜日の朝7時30分~10時49分に放送中のこちらの番組。今年のOMFに出演いただく様々な音楽家が週替わりで登場します。パーソナリティの高寺直美さんとどんなトークが飛び出すのか、ぜひ放送をお楽しみに!
radikoプレミアム会員の方は長野県のみならず、全国でもお聴きいただけます!

「clap!」公式サイトはこちら
「radiko」


wk1: 7月21日(金) 朝9時4分ごろ~:依田真宣さん(オーケストラ コンサートAプログラムBプログラムについて)

wk2: 7月28日(金)朝9時4分ごろ~:中川郁文さん(OMFオペラについて)

wk3: 8月4日(金)朝9時4分ごろ~:林七奈さん(オーケストラ コンサートAプログラムについて)

wk4: 8月11日(金・祝)朝9時4分ごろ:原田 光さん(OMF室内楽勉強会〜リートデュオ・リサイタル〜について)

wk5: 8月18日(金)朝9時4分ごろ~:宮田 大さん(オーケストラ コンサートAプログラムについて)

《メディア情報》「ぶらあぼ」8月号 記事掲載!

7月18日発行「ぶらあぼ」8月号に、2023OMFでサイトウ・キネン・オーケストラを指揮するステファン・ドゥネーヴのインタビューや、今年の見どころ・聴きどころをご紹介いただいています。

ぶらあぼ 8月号
(ぶらあぼはWEB版でもお読みいただけます!)

ぜひお読みください!

松本駅MIDORI & 八十二銀行ほかにてフェスティバル展開催中!

松本駅直結のショッピングビルMIDORI松本と、松本市 大手にある八十二銀行ウインドギャラリー、松本市立博物館にて、フェスティバル展(写真展)が開催中です。フェスティバル来場の際はぜひご覧ください。フェスティバル期間中には、キッセイ文化ホールでも展示いたします。


フェスティバル展

八十二銀行松本営業部ウインドギャラリー、松本市立博物館
7月14日(金)~9月8日(金)

MIDORI 松本
7月14日(金)~9月9日(土)
営業時間・休館日はMIDORIの営業時間によります。

オフィシャルカメラマン大窪道治氏、山田毅氏が撮影した2022OMFの写真をパネル展示します。

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《メディア情報》7月21日 NHK FM「ベスト オブ クラシック」にて2022OMF オーケストラ コンサート再放送

7月21日(金)1930分~ NHK FM「ベスト オブ クラシック」にて、昨年826日にキッセイ文化ホールで開催したシャルル・デュトワ指揮、サイトウ・キネン・オーケストラ演奏の「オーケストラ コンサート」が再放送されます。ぜひお聴きください!

『ベスト オブ クラシック』
7月21日(金)1930分~
NHKFM
にて放送

2022セイジ・オザワ 松本フェスティバル
オーケストラ コンサート

【曲目】
武満徹:セレモニアル - An Autumn Ode -
ドビュッシー:管弦楽のための「映像」
ストラヴィンスキー:春の祭典

【演奏】
指揮:シャルル・デュトワ
笙:宮田 まゆみ(セレモニアル)
管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ

番組公式ウェブサイトはこちら

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「ベストオブクラシック」は放送後から1週間、何度でもお聴きになれます。
らじるらじる のサイトやアプリからお楽しみください。

※やむをえず番組内容に変更が生じる場合がございます。あらかじめご了承ください。

ステファン・ドゥネーヴ(指揮)インタビュー【後編】

2023セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)でサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の指揮を務めるフランスの気鋭ステファン・ドゥネーヴ。2013年のラヴェルの《スペインの時》でフェスティバル初出演したドゥネーブは、2020年のOMFに出演予定でしたが、同公演は新型コロナウイルスの影響で中止。満を持してのOMF再出演となります。
フェスティバル開幕を前に、2023年6月、香港滞在中のマエストロにリモートで今回のプログラムから、小澤征爾総監督との出会いやジョン・ウィリアムズの音楽についてお話を伺いました。前編・後編の2回に分けてお届けします。
インタビュー【前編】

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ジョン・ウィリアムズ氏と

───ドゥネーヴさんはジョン・ウィリアムズ氏の信頼も厚く、今回ウィリアムズ氏の来日決定のある意味では立役者と伺いました。
小澤征爾総監督がウィーン国立歌劇場音楽監督時代(2002-2010)から、ウィリアムズ氏には「ぜひウィーンや松本に来てほしい」と熱望していたけれど、松本に来ることはなかなか実現には至っていませんでした。そんな折に、昨年6月に来日したドゥネーヴさんが、SKO事務局からウィリアムズ氏に2023年松本でSKOを指揮してもらえないかとアプローチしているという話を聞き、その2週間後にワシントンでウィリアムズ氏の90歳を祝うガラ・コンサートを指揮するという偶然が重なったそうですね。ドゥネーヴさんがウィリアムズ氏にOMFや松本の良さをアピールし、また来日の際はサポートすると後押ししてくださったと聞いています。

誰もが賞賛する二人をまた一緒に見ることができるのは、日本の聴衆にとって素晴らしいことです。私にとっても、それが現実となるのは、夢のようなことです。この音楽の巨人2人を結びつけるお手伝いができるわけですから。

───ドゥネーヴさんからみて、ウィリアムズ氏はどのような作曲家ですか? 作品の魅力は?

11歳で映画「E.T」を見た時、初めて映画館の中で泣きました。私がこれほど感動したのは、物語の素晴らしさだけでなく、その感動が音楽によって表現されていたからです。
全ての若者が「インディ・ジョーンズ」などに感激していた時代でしたが(もちろん私も大好きでしたが)、のちに私はジョンの演奏会用の作品を発見しました。「ヴァイオリン協奏曲」「チューバ協奏曲」「チェロ協奏曲」等々。彼は演奏会用の素晴らしい曲をたくさん書いていたのです。特に素晴らしいのは「Tributes! (for Seiji!)」。この作品を私はフィラデルフィア管とともに演奏しました。つまり私は、ジョン・ウィリアムズの映画音楽ばかりでなく、演奏会用の作品も大好きだったのですよ。

最初にジョンと会ったのは、2007年ロサンゼルスでした。私がロサンゼルスのオーケストラを指揮している一週間の公演期間のちょうど真ん中に、彼がガラ・コンサートを指揮したのです。彼と初めて会って、ほぼ同時に友人となりました。なぜかわかりませんが、私たちはすぐに楽々と自由に話ができて、二人の間に素晴らしいエネルギーが流れるのを感じたのです。以降、頻繁にコンサートで会いましたし、タングルウッドでは演奏会を一緒に分担することも。
とても控えめで、小澤さんと同様に若い音楽家たちの教育活動に熱心で、生涯ずっと支援しようとしています。昨年のワシントンでの90歳記念のガラ・コンサートの指揮を提案してくださるなど、まるで心の父とも言えます。

───オーケストラ コンサート<Bプログラム>で指揮する作品はどのように選んだのですか?

私はジョンに全部の演奏会を指揮してほしいと思っていたので、彼に尋ねたのです「どの曲を私に指揮してほしいか」と。ですので、曲を選んだのはジョンです。彼は私のことをよく知っていますし、私が何を好きなのかも。
「E.T」の大部分を私が指揮しますが、これは私にとっても特別です。先ほど申し上げた通り、私がジョン・ウィリアムズを知った最初の曲ですから。今回この音楽を指揮することができ、とても幸せです。

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───災害、疫病、戦争など、私たちを取り巻く社会状況は混沌としています。
その中で「なぜ音楽が必要なのか」という問いについてどのようにお考えですか?

ご質問ありがとうございます。私にとってその答えはとてもシンプルです。なぜなら、このセイジ・オザワ 松本フェスティバルという場で、音楽によって人々を集めて、言葉なしで伝えようとしているからです。みんなが集まり、一緒に伝えようとする感情こそ、世界でもっとも貴重なものだと思います。
オーケストラがいて、音響機器ではなくアコースティックに聴衆へ(その感情を)送りだすのです。シンプルな振動に過ぎないのですが、一緒に耳を傾け、音楽への愛、感情を一緒に分かち合うのです。
私たちは画面を通してでもなく、電話で話しているのでもありません。それは、現代世界でとてもユニークなことであり、信じられないほど純粋なこと。みんなが一緒になって、音楽的な感情を分かち合う─それは私にとって何か未来への希望のようなものです。戦争や緊張関係など、世界的な問題への解毒剤として。音楽は、共通の愛によって人々を結びつけます。だからこそ、子どもたちに音楽をするよう手助けをする必要が絶対にあると思います。学校で楽器を学ぶことは、人生を学ぶことでもあるのです。この学校によって人間がそれぞれ違うこと、話す言語が異なること、肌の色が違うことを学ぶことができます。そうした人間が一緒になって、アンサンブルの美しさを創り出します。この美しさほど素晴らしいものはありません。

───松本(都市)の印象について一言お願いします。

もともと山が好きですし、松本の街はエキゾティックで豊かな面があって、とても魅力的だと思います。小さな路があちこちにあり、自転車で走り回ることができます。道に迷ったりすることがありますがそれも好きですし、お城[松本城]はもちろん素晴らしいです。

もう一つ印象的なのは、蝉の声です。とても強くて…。森が、私が知っている木々とはまったく違っていたのも記憶に残っています。日本料理も大好きですし、松本では、時に洗練されたレストランで、時にシンプルなレストランで、美味しい夕食をいただきました。みんなとてもフレンドリーでした。ですので、また松本を訪れることができ嬉しいです!

インタビュー収録:2023年6月
聞き手:OMF広報
写真提供:ステファン・ドゥネーヴ
Photos courtesy of Mo. Stéphane Denève

関連公演

オーケストラ コンサート Aプログラム

2023年8月25日(金)、27日(日) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:ステファン・ドゥネーヴ

オーケストラ コンサート Bプログラム

2023年9月2日(土) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:ジョン・ウィリアムズ、ステファン・ドゥネーヴ

SKO&Mo.ジョン・ウィリアムズ、ステファン・ドゥネーヴ出演 ドイツ・グラモフォン創立125周年 Special Gala Concert 詳細発表!

サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)と、Mo.ジョン・ウィリアムズ、ステファン・ドゥネーヴが出演するドイツ・グラモフォン創立125周年Special Gala Concertの演奏曲目および、チケット発売等詳細が決定しました。

演奏曲目は、2023セイジ・オザワ 松本フェスティバル オーケストラ コンサート<Bプログラム>と同一のプログラムを予定しており、『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』『E.T.』など、ジョン・ウィリアムズが手掛けてきた映画音楽を中心に、天皇皇后両陛下ご成婚の際に贈られた「雅の鐘」そして、小澤征爾との長年の友情を記念した特別プログラムになっています。

開催に向けてジョン・ウィリアムズは「90年代初頭に来日して以来久しぶりにサントリーホールの舞台に立つことをとても楽しみにしています。そして、親愛なるセイジに会えること、彼の大切なオーケストラであるサイトウ・キネン・オーケストラと共演できることを光栄に思っています。」と語っています。

チケットは明日630日より一次抽選を開始、719日の二次抽選を経て85日に一般発売となります。スケジュールやチケットについては特設サイト(https://eplus.jp/dg125/)をご確認ください。
※OMFウェブチケットでのお取り扱いはございません。

ドイツ・グラモフォン創立125周年Special Gala Concert

日時:2023年9月5日(火)19:00開演予定
会場:サントリーホール 大ホール(〒107-8403 東京都港区赤坂1-13-1)
主催:ドイツ・グラモフォン
共催:ユニバーサル ミュージック合同会社 / 公益財団法人 サイトウ・キネン財団

演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:ジョン・ウィリアムズ
   ステファン・ドゥネーヴ

チケット価格:VIP席:50,000円  
※VIP席特典① 前日9/4(月)に行われるステファン・ドゥネーヴによるリハーサルの一部をご観覧いただけます。(時間未定)
※VIP席特典② スペシャル・グッズを付与させていただきます。
S席:37,000円 / A席:30,000円 / B席:25,000円 / P席:20,000円
※未就学児童入場不可、小学生以上チケット必要

チケットサイト:https://eplus.jp/dg125/

販売スケジュール:
【一次抽選】
応募期間:2023/06/30(金) 12:00~2023/07/16(日) 23:59
抽選日:2023/07/19(水)
【二次抽選】
応募期間:2023/07/19(水) 12:00 2023/07/25(火) 23:59
抽選日:2023/07/28(金)
【一般発売】
2023/08/05(土) 10:00~

曲目:
【前半:ステファン・ドゥネーヴ指揮】
雅の鐘 / Sound the Bells!
Tributes! (For Seiji)
『遥かなる大地へ』組曲(映画『遥かなる大地へ』から) / Suite from Far & Away
『E.T.』交響組曲(映画『E.T.』から) / Symphonic Suite from E.T. the Extra-Terrestrial
- 遥か300万光年の彼方から / Three Million Light Years from Home
- スターゲイザー / Stargazers
- フライング・テーマ / Flying Theme

【後半:ジョン・ウィリアムズ指揮】
スーパーマン・マーチ(映画『スーパー・マン』から) / Superman March
映画『ハリー・ポッター』より / Three Selections from Harry Potter
- ヘドウィグのテーマ(映画『ハリー・ポッターと賢者の石』から)/ Hedwig’s Theme
- 不死鳥フォークス(映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』から)/ Fawkes the Phoenix
- ハリーの不思議な世界(映画『ハリー・ポッターと賢者の石』から)/ Harry’s Wondrous World
シンドラーのリストのテーマ(映画『シンドラーのリスト』から) / Theme from Schindler’s List
映画『スター・ウォーズ』より / Three Selections from Star Wars
- レベリオン・イズ・リボーン(映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』から)/ The Rebellion is Reborn
- 王女レイアのテーマ(映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』から)/ Princess Leia’s Theme
- 王座の間とエンドタイトル(映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』から)/ Throne Room & Finale

関連リンク
ユニバーサルミュージック公式サイト
ドイツ・グラモフォン公式サイト(英語)

本公演の詳細については、ユニバーサル ミュ-ジック カスタマー・サービスセンターまでお問い合わせください。
ユニバーサル ミュ-ジック カスタマー・サービスセンター
045-330-7213 (代表)  月~金 10:00~18:00 (祝祭日を除く)
https://www.universal-music.co.jp/faq/

《メディア情報》「ぴあクラシック」Vol.65 記事掲載!

フリーペーパー「ぴあクラシック」Vol.65の「夏のクラシック音楽祭特集」にて、2023OMFをご紹介いただきました。

ぴあクラシック Vol.65:2023OMF紹介記事
(ぴあクラシックはWEB版でもお読みいただけます!)

ぜひお読みください!

ステファン・ドゥネーヴ(指揮)インタビュー【前編】

2023セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)でサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)の指揮を務めるフランスの気鋭ステファン・ドゥネーヴ。2013年のラヴェルの《スペインの時》でフェスティバル初出演したドゥネーブは、2020年のOMFに出演予定でしたが、同公演は新型コロナウイルスの影響で中止。満を持してのOMF再出演となります。
<Aプログラム>ではプーランク「スターバト・マーテル」とラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲をメインに据えたプログラムを、<Bプログラム>ではジョン・ウィリアムズとともに《オール・ジョン・ウィリアムズ・プログラム》を指揮します。フェスティバル開幕を前に、2023年6月、香港滞在中のマエストロにリモートインタビューに答えていただきました。前編・後編の2回に分けてお届けします。
インタビュー【後編】

───2013年に続き、10年ぶりにOMFにお迎えできることを大変嬉しく思っています。マエストロは1998年のプーランクのオペラ《カルメル会修道女の対話》で来日し、小澤総監督のアシスタントを務めたそうですが、その時が初めての出会いだったのでしょうか?思い出に残っていることなどお話しいただけますか?

マエストロ小澤との出会いといえば、実は子どもの頃まで遡ります。初めて買ったCDが小澤さん指揮のラヴェルや、プーランクの「グローリア」「スタバート・マーテル」、それからオネゲルの《火刑台上のジャンヌ・ダルク》でした。ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝した小澤さんはフランスでは伝説的な人物で、テレビでも彼が指揮するオペラやオーケストラ公演が頻繁に放映されていました。私が最初にテレビで小澤さんを見たのはマーラーの交響曲第2番《復活》を指揮した時で、たしかジェシー・ノーマンとの共演だったと思います。本当に素晴らしかったのを今でも覚えています。

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1998年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本でプーランク:オペラ《カルメル会修道女の対話》で小澤総監督のアシスタントを務めた。リハーサル中の二人を捉えた貴重な写真には、総監督からのドゥネーヴ氏への感謝のメッセージが綴られている。ドゥネーヴ氏曰く、このあと緊張して焦って身を乗り出しすぎてそのまま頭からピットに落ちてしまったそう!

小澤さんはパリでも頻繁に指揮をしていましたが、実際に対面できたのは1998年に松本でプーランクのオペラ《カルメル会修道女の対話》*1でアシスタントを務めたときでした。彼を人間としても音楽家としても尊敬しています。私は彼のおかげで多くを学びました。
《カルメル会修道女の対話》がパリで小澤さんの指揮で上演された際、小澤さんは8公演のうち最後の一公演をやむを得ない事情で指揮することができなかったこともあり、《カルメル会─》の指揮を私にまかせてくれて、おかげでオペラ座デビューできたのです。
この《カルメル会─》のパリ上演期間中に、私の誕生日パーティーにも来てくれたのですよ。友人たちに誕生会に「Seijiが来てくれる」と言っても(若いアシスタントだったこともあり)誰も信じてくれなかったのですが、当日本当に来てくれて大盛り上がりでした。

その後、2013年(*2)に松本でのラヴェルのダブル・ビルで小澤さんがラヴェルの《こどもと魔法》、私がラヴェルの《スペインの時》の指揮を務めました。小澤さんと出会ってから25年。私は51歳ですから、人生の半分以上の年月の知己ということになります。

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───2020年にOMF出演予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で開催中止となり、今回待望の出演となります。オーケストラ コンサート<Aプログラム>では、2020年に予定していたプーランクの「スターバト・マーテル」とラヴェルの「ダフニスとクロエ」を演奏されます。選曲の意図を教えてください。

コンサートは、バーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリー」シンフォニック・ダンスで幕を開けます。
「ウェスト・サイド・ストーリー」はとてもヴィルトゥオーゾな作品です。ですから、コンサートの冒頭でSKOの素晴らしい技巧を示すのに相応しい作品だと考えました。私にとって、これほど素晴らしくレベルの高い音楽家たちと演奏できるのは、大きな特権です。世界や日本各地から集まってきた音楽家それぞれの個性的な才能を保ちながら、アンサンブルとしての音楽、オールスターズ・オーケストラとして輝かせたいと思っています。そうすることで、彼らの人間性や愛を表現できればと。

───ソリストとして、ジョン・ウィリアムズの「チューバ協奏曲」ではチューバ独奏に杉山康人さんを、プーランクの「スターバト・マーテル」ではソプラノ独唱にイザベル・レナードさんを迎えます。

私とヤス(杉山康人)の出会いは1998年の松本でした。その後、新日本フィル、クリーヴランド管でも一緒に演奏しましたが、彼は私が知る限り、チューバからもっとも美しい音を出す偉大な奏者です。才能豊かでとても親切で面白くて、私たちは良き友人です。私が大好きなジョン・ウィリアムズの「チューバ協奏曲」をヤスに演奏してほしいと切に願い、今回引き受けてもらいました。この素晴らしい協奏曲を彼と一緒に演奏できるのをとても嬉しく思っています。

イザベルとは、2013年に松本でラヴェルの《スペインの時》で共演しました。その後も頻繁に共演しており、先月もベルリオーズの《ファウストの劫罰》で一緒でした。ラヴェルの《こどもと魔法》を上演する際は、いつも彼女とです。感受性が豊かな洗練された音楽家で、本物の音楽を創ることができるので、今回プーランクの「スターバト・マーテル」で彼女と共演できるのはとても贅沢なことだと思っています。

───プーランクの「スターバト・マーテル」とラヴェルの「ダフニスとクロエ」では、100名規模の合唱団(OMF合唱団、東京オペラシンガーズ)と共演します。

上質な音楽と、そして我々のマエストロ 小澤征爾の名を冠することで知られるこのフェスティバルにおける、今回のコンサートは私にとって大きな祝祭です。コロナ禍を経て、こうして大人数でコンサートを行えることは普通の出来事だとはもはや思いません。コロナ以後、私は指揮するたびに、大オーケストラと大合唱でたくさんの人が身を寄せ合って音楽を奏でることに感謝しています。音楽を表現するのに、すぐそばに人がいるというのは、一時期はありえないことでした。ですので、今回の共演は本当に素晴らしいことだと思っています。

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インタビュー収録:2023年6月
聞き手:OMF広報
写真提供:ステファン・ドゥネーヴ
Photos courtesy of Mo. Stéphane Denève

*1:1998年SKF プーランク:オペラ《カルメル会修道女の対話》
9月3日、5日、7日 長野県松本文化会館
【プーランク生誕100年(1999年)を記念しての国立パリ・オペラ座との共同制作】
指揮:小澤征爾
演出:フランチェスカ・ザンベロ
ド・ラ・フォルス侯爵の娘ブランシュ:パトリシア・ラセット
ド・クロワッシー婦人、カルメル会院長:フェリシティー・パーマー
受肉のマリー上級修道女:デイム・ジョセフィン・バーストウ
リドワーヌ婦人、新院長:クリスティン・ゴーキー
聖人ドゥニのコンスタンス修道女:マリー・デヴェレロー
マルチド修道女:ベス・クレイトン
幼いイエズスのジャンヌ上級修道女:シーラ・ナドラー
侯爵の息子・騎士:ウィリアム・バーデン
ド・ラ・フォルス侯爵:ビクター・ブラウン 他

*2:2013年SKF ラヴェル:オペラ《こどもと魔法》/《スペインの時》
8月23日、25日、28日、31日 まつもと市民芸術館 主ホール
オペラ《こどもと魔法》
指揮:小澤征爾
演出:ロラン・ペリー
こども:イザベル・レナード
肘掛椅子/木:ポール・ガイ
母親/中国茶碗/とんぼ:イヴォンヌ・ネフ
火/お姫様/うぐいす:アナ・クリスティ
雌猫/りす:マリー・ルノルマン
大時計/雄猫:エリオット・マドア
小さな老人/雨蛙/ティーポット:ジャン=ポール・フーシェクール
安楽椅子/こうもり:藤谷佳奈枝

オペラ《スペインの時》
指揮:ステファン・ドゥネーヴ
演出:ロラン・ペリー
コンセプシオン(時計屋の女房):イザベル・レナード
ラミロ(ロバ引き):エリオット・マドア
トルケマダ(時計屋):ジャン=ポール・フーシェクール
ゴンザルヴ:(詩人気取りの学生)デイビッド・ポーティロ
ドン・イニーゴ・ゴメス(銀行家):ポール・ガイ

関連公演

オーケストラ コンサート Aプログラム

2023年8月25日(金)、27日(日) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:ステファン・ドゥネーヴ

オーケストラ コンサート Bプログラム

2023年9月2日(土) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:ジョン・ウィリアムズ、ステファン・ドゥネーヴ

OMF室内楽勉強会 ~リートデュオ・リサイタル~ 出演者発表!

毎年、上質な室内楽の勉強会を展開しているOMFの教育プログラムの一つ「OMF室内楽勉強会」。今年は昨年に引き続き、世界的リート歌唱の権威 白井光子さんを講師にお招きし、歌手とピアニストのための「リートデュオ」の勉強会を奥志賀高原にて開催いたします。
このたび、そのマスタークラス及び成果発表の場となる奥志賀高原と松本市でのリサイタルに出演する歌手&ピアニストを発表しました。

オーディションで選出された6組12名の気鋭の音楽家たち。白井先生の貴重なレッスンのもと、一段と成長する若手の声楽家&ピアニストが奏でる旋律を、ぜひ会場でお聴きください。

OMF室内楽勉強会 ~リートデュオ・リサイタル~ 出演者など詳細はこちら

《メディア情報》「音楽の友」7月号 記事掲載!

6月16日発売「音楽の友」7月号 ”全国夏秋の音楽祭ガイド2023”にて2023OMF をご紹介いただきました。

音楽の友 7月号:”全国夏秋の音楽祭ガイド2023”

ぜひお読みください!